三陸鉄道とBRTと自転車でゆく!!
さんりく縦断輪行の旅 その6

岩手県陸前高田市〜宮城県南三陸町
13.08.09
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一本松は、本当に奇跡だった

15時4分。サイクリング再開です。
久々にペダルを漕いで、やっぱり自転車って楽しいなって思った!!

当分下り坂だしね!

途中、「栃ヶ沢ベース」という仮設商店街を発見。
被災した複数のお店がまとまって、仮設商店街として営業しているみたいです。
せっかくなので立ち寄ってみよう。

栃ヶ沢ベースには、おそば屋さん、雑貨屋さん、お菓子屋さんをはじめとした
様々な業種の7店舗が出店。
ここで友達や家族へのおみやげを買って行こうかとも思ったんですが、
ここは何が起こるか分からない長旅。
荷物になる買い物はぐっとこらえます。
隣にある「お菓子の木村屋」さんで、おいしそうなドーナツをひとつ購入。

仮設商店街って初めて入ったけど、普通の街の商店街より気軽に立ち寄れる雰囲気で、なかなか良いネ。

栃ヶ沢ベース

自転車で・・・
JR大船渡線BRT・陸前高田駅から約10分
※時間は目安で、所要時間には個人差があります。

輪行おすすめ度 ★★★☆☆
雑貨店には奇跡の一本松関連グッズ色々あり!!

住所・営業日・駐輪場情報など
陸前高田市高田町栃ヶ沢26-1


より大きな地図で ぶら輪☆おすすめスポット を表示


坂の下まで降りてきたんですが、一向に街がありそうな雰囲気にはなりません。
前の青看板を見る限り、方向は間違っていないようなんですけど。

この先に高架橋があるから、そこから周りを見てみよう。


高架橋から、海の方を見渡した景色がこちら。
区画整理された道路を見る限り、このあたりはかつて住宅地だったように思われます。
そして、海岸線に至るまでずっと、何ひとつ残ってません。日本百景の高田松原も含めて。
本当に、街が丸ごとなくなっていました。

使い古されている表現ではあるけど、人間の無力さを突きつけられる感じだ・・・


というか、奥に見えるの、奇跡の一本松じゃない?

あっ、本当だ!!
こんな遠くからも、一本の松が見えるなんて。
ここから望むシルエットは、本当に「奇跡の一本松」でした。


蜃気楼のように見える、霞の向こうパワーショベルたち。


街は地盤沈下して沼みたいになってます。
これを見ると、街ぐるみの高台移転は行政の生半可な夢物語ではなくて、
街の存亡を掛けた決死の決断だということが分かりますね・・・。


近付くと、看板もあってわかりやすいです。

奇跡の一本松に東北の復興を祈願

雨上がりだというのに、陸前高田はすごくホコリっぽい
服も自転車もザラザラ。早くも今日のお風呂が待ち遠しい。

乾かし中のタオルといい、二日目にしてさえちゃんの見た目は旅人感たっぷりに・・・。


一本松までは応急の通路が設けられていて、
観光客でも気軽に近くまで行けるようになっていました。
工事現場の警備員さんに聞いたら、自転車は押して歩いてとのことです。

工事現場の中を突っ切るような形だからちょっと緊張するね。


15時40分、陸前高田の奇跡の一本松に到着です。
自転車はここに置いて、近くまで行ってみよう。

すごい。けっこう賑わってるみたいだね。


近くに詳しい説明の書かれた看板がありました。
ニ枚上の写真と、この看板に載っている写真は、ほぼ同じ位置から撮影したものだと思われます。
松原だった当時から、この松は他の松とは違う、特徴的な感じだったんですね。


雨上がりの空、天高く伸びる奇跡の一本松。
こんな"か細い"松の木が、あの大津波、瓦礫の波を越えて残ったんだね・・・。

奥の建物の渡り廊下?があと数メートルずれていただけで、
たぶんこの松は流されていたよね。もっと言うと、引き波にはどうやって耐えたんだろう。
この松が残ったのは、あらゆる偶然が重なり合った結果なんだ。

奇跡的に生き残ったこの一本松ですが、
実はその後、塩水を含んだ土壌の影響で枯死してしまいました。
現在のこの姿は、特殊な技術で保存された、いわば剥製(はくせい)です。

この剥製化について、多額の費用がかかり税金の無駄遣いだと、
多くの批判が起きてニュースにもなりましたよね。
部外者の身としては、この大津波の事を知り、伝えていくきっかけとして
一本松を保存する活動はとても意義のあることだと思います。

うん。仮に、広島に原爆ドームが残されていなかったら、
たとえいくら映像をたくさん見せられたとしても
「大昔にそんなおそろしい事があったんだー」程度の認識だったと思う。
資料館をいくら立派に作るよりも、
本物を本来の場所に残すことのほうが、何十倍も説得力がある

と思いマス。


周囲の景色を含めたこの一本松の姿を、皆様にもぜひ実際に訪れて見て頂きたいです。
幸い、ここには観光客用の駐車場も完備されており、訪れること、写真を撮る事が不謹慎でもない(笑)。
それぞれの心に感じ入るものが、きっとあると思います。

奇跡の一本松

自転車で・・・
JR大船渡線BRT・陸前高田駅から約30分
※時間は目安で、所要時間には個人差があります。

輪行おすすめ度 ★★★★☆
実物の迫力は何ものにも代え難い

住所・営業日・駐輪場情報など
陸前高田市気仙町砂盛

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自転車に乗って気仙沼へ

色々なことを考えながらしばらく滞在していましたが、
そもそも、計画は遅れに遅れているんでした。巻きで行きましょう。
写真は、プラダン(プラスチックで出来た段ボール風の緩衝材)ビニールテープで作られた案内看板
これは力作だ〜。

[現在地]のところに再現された一本松の図柄がすごい凝ってる。
それにしても、ここまで物産センター推しなら行くっきゃないネ!!


というわけで、ちょっと寄り道。看板に書いてあった「物産センター」を目指します・・・


・・・が、近付いてみると何だか様子が変。
クルマは停まっているものの、施設内は当時のまま残された瓦礫の山
営業していると思いこんでいたのでショックでした。

どうやら私たちは、「物産センター」ではなく「道の駅 高田松原(休館中)」のほうへやってきてしまったようでした。
クルマが置いてあるのは、駐車場がドライバーの休憩に利用されているためのようです。

メンタルの弱いおいらたちは、ここで目の当たりにしたリアル瓦礫の山に打ちひしがれ、
物産センターに行くモチベーションがなくなったのであった・・・・。


ただ今16時20分。ここからまたBRTに乗って宿に向かうのも良いのですが、
せっかく晴れているし、気仙沼までは自転車で行く事にしました。

そんなわけで、さらば陸前高田。短時間の滞在だったけど印象深い街だった。
そして、物産センターごめんなさい。また来るぜ。


気仙沼まではおよそ14km。
もう一踏ん張り〜頑張って行こう!!

東京の感覚だと、14キロなんて楽勝!! なんだけどねえ。
自転車にとって、高低差の有無は大きい。


とりあえず道端で栄養補給しる。

さっきの仮設商店街で買ったドーナツだね。
奥の焼きショコラは、オマケで頂いたもの。お菓子の木村屋ありがとう!!
どっちもまいう〜であった!!


程なくして、宮城県に入りました。
自転車での県境越えは無意味に達成感ある!
心なしか、坂道を登る足取りも軽やかに。


さ、さえちゃん!
この先、自転車進入禁止って書いてあるよ!?

うわああっ
と思ったけど、ツーリングマップルを見たところ、
唐桑(からくわ)半島を廻る旧道を使って迂回すれば自転車でも先に進めるっぽいです。
地図を見る限り、そんなに大きな遠回りでもないようなので一安心。
左折して先へ進みます。

ちなみに、ここでさえちゃんは慌てた拍子に新品のツーリングマップル東北版を地面に落とし、
修復不可能な凹みをつけてしまうのであった。


坂は多いですが、全体的に緩やかなので淡々と。
夏の夕方らしい、ちょっと郷愁を感じる景色の中を進みます。


この海沿いの景色は東北ならではだね。ディスカバー・ジャパンって感じだ。


旧道の最後には、ものすごい上り坂がありました・・・。
旧道は何度かヘアピンカーブを繰り返しながら、上を走る国道に合流します。


坂を上りきったところでスピードメーターを見てみると、
昨日からの積算距離が100キロ目前。

このスピードメーターは、房総半島輪行で立証された通り、
99.9キロを過ぎると0にリセットされるという驚きの仕様なので(笑)
100キロ走った証拠として97kmを写真に撮れたのはよかったです。

今日、宿に着くまであとどれくらい走るか楽しみだね。


最後にこの唐桑トンネルを通過すれば気仙沼市街に到着のはずです。

このトンネル、狭くて長い上に歩道がなく、終始激怖びくびく丸であった。



鹿折唐桑の打ち上げ船

17時40分、暮れなずむ街の〜という感じですが、無事気仙沼市街に到着しました。
予定としては、このまま気仙沼の街の中を松岩という駅まで走り、そこからはBRT気仙沼線に乗車します。

普通の市街地を見ると心が和むね。

しかしながら、一段下の街区に入ると途端に「更地」が多くなります。
それにしても、夕陽の沈む山並みの雄大なこと。

今回の旅、写真では伝えきれない感動って多いなあとつくづく思った。


あんなところに大きな船が陸揚げされてる。
この船、テレビで見た事あります。こんなところにあったんですね・・・。
せっかくなので、立ち寄ってみよう。

海岸から1キロ以上離れているこんなところにまで、船が流されてきたなんて。


近くで見ると、すごい迫力と違和感・・・。
JR大船渡線の鹿折唐桑(ししおりからくわ)駅前に打ち上げられたこの「第十八共徳丸」
船体のそばには献花台が設けられており、多くの方がひっきりなしに献花に訪れていました。
ここで、私たちもささやかながら亡くなられた方々のご冥福を祈る。

※地元住民の方々の意向で、この船は2013年10月に解体撤去されたそうです。


その後、近くにあった仮設商店街「気仙沼復幸マルシェ」に立ち寄り。
復興祈願のタオルとお菓子を購入し、一休みした後に先へと進みました。

復興商店街巡りは楽しい。次はそれだけを目的にした旅でも面白いかもね。



夕刻の気仙沼市街を走る

18時25分、気仙沼漁港に到着。このあたりが気仙沼の中心街のようです。

被害は大きいようだけど、港町の風情が残っていていいね。

地盤沈下は気仙沼でも起きてるんだ。


かつて一度、津波の中に沈んだ街。
これだけの建物が残っただけでもすごいと思います。


「男山」というインパクトのある建物を発見。
どうやら、国指定有形文化財として登録されている男山本店という酒屋さんの建物らしいですが。

被災前は三階建てだったのに、今の現状はどう見ても一階建て・・・。
この建物、復元出来るのかすごく心配だ。


仮設商店街「復興屋台村 気仙沼横丁」がありました。
ちょっと覗いてみましたが、有楽町ゲート下の飲み屋街のような感じで、なかなか良い雰囲気でしたよ。

しかし、飲酒運転になっちゃうから立ち寄らず! 


漁港を離れると、地形の影響でしょうか、再び夕焼けに。
辺り一帯が真っ赤で、不思議な感じでした。

津波の被害も、地形に大きく影響されるんだなあ。



道に迷った1時間・・・

ここからがちょっとお恥ずかしいんですが・・・・。
気仙沼市街で、1時間ほど道に迷ってしまいました。
「わりと方向感覚あるほうだ」と自分を過信し、地図をろくに見もせず突っ走ってしまったことを猛省。


そんなこんなで、ようやく松岩駅に着いたのは19時59分
辺りは真っ暗。真っ当に来れば「気仙沼横丁」から30分もかからず辿り着ける距離でした。うえ〜。

くたびれたねえ・・・何はともあれ、辿り着けたから良しとしよう。


 さーて、次のBRTは・・・・?
19時59分。


19時59分!!!! まさに今じゃん!!!!
しかも終電!


振り返ると、遠くのほうから今まさに走り来るBRTが!!!!
超猛スピードでテキトーに自転車を仕舞い、振り返ってなんとか撮影したのが上の写真です。
ぎりぎり間に合いました。

そして、それがまさかの終電。 今日は24時間スペクタクルだよ、もう!!!!



どっぷり疲れた二日目

結果的に、今日も終電になってしまった・・・。

今日一日で、寿命が、人間で例えて3年くらい縮んだよ

とにかく、旅では何が起こるか分からないっていうことだけは学びました。

それ毎回言ってるよ、さえちゃん

あ、あれっ?

睡魔と戦いながら
本日の宿の最寄り駅である歌津(うたつ)に着いたのは20時50分。
松岩駅を出たのが19時59分だったので、実に1時間弱もBRTに乗っていたことになります。
この距離を、自転車あるいはタクシーで走っていたら、なんて考えるだけでも恐怖・・・。

BRTさまさまだね。公共交通を絶やしたらあかん。




それにしても、この歌津という駅。何もない・・・。
というか、何も見えない。 

とにかく、まずは宿にチェックインの時間が遅れる旨を連絡しなくちゃ。

手慣れたもんだね。・・・・近辺に公衆電話はなさそうだけど。

あ、ウィルコムの電波入った。

おお、運がいいというか、何と言うか。

・・・あ、もしもし。
本日予約してた〜〜ですけど、ちょっと遅れそうで〜、はい。
それで、今、歌津駅に着いた所なんですよね!

はい。はい。カチャ
って、あれ。
迎えにきてくれないかあ・・・・。

図々しい。何を期待してるんだか!!

ここから泊崎半島突端の宿「ニュー泊崎荘」までは約6キロ。
今からそれを自転車で走るなんて辛すぎる。

意を決して行くしかない。今日最後の頑張りどころだね。


不幸中の幸いだったのは、泊崎半島へ曲がる交差点の近くにローソンがあったこと。
ここで暖かいコーヒーと、本日の夕食、明日の朝食を購入。
本当に暖まった。最近のコンビニってどこでもコーヒー売ってるからうれしいね。

ここから、恐怖 真夜中の半島サイクリングが始まったわけだけど、
撮った写真が真っ暗すぎてよく分からないので省略。

天気は再び曇りとなり、月明かりも望めず。

これまで、かなり明るいと思ってきた私の自転車用ライトをもってしても、
本当に一点の明かりもない、真っ暗な場所では何の役にも立たないことがよく分かりました。
かろうじて見える、道路の左右の白線を辿りながら、
心を無にして走り続けること40分・・・


21時40分。ようやく本日のお宿「ニュー泊崎荘」に到着。
こんな夜中、寒かったけどなぜか汗だくだく。体力に加えて神経を使って、かなり疲れました・・・。

自転車にとって、夜中は危険でしかない。出来るだけ走りたくないね


案内されたのは、受付から廊下を数分歩いたところにある別館の新しいお部屋
あまり歩き回らなかったのですが、どうやらこのお宿には別館がたくさんあるようです。
自転車を抱えながら渡り廊下をずっと歩いてきたこともあり、
とにかく、部屋に着いたところでドッと疲れが押し寄せました・・・。

今日は本当に、波瀾万丈の1日だったね〜
早くお風呂に入って、晩ご飯を食べて、お布団へGO!

らじゃーーっ。


お風呂は温泉ではありませんでしたが、本館にある普通の内風呂と、別棟にある岩風呂の二つあり。
岩風呂のほうは時間帯によって男女が入れ替わるタイプでしたが、丁度時間だったので私はそちらへ。
夜遅い時間だったからか、ずっと貸し切り状態でラッキー。
ごつごつした立体的な? 岩風呂で1日の汗を流し、身も心もスッキリ。


で、寝る前に見たニュースなんですけど。
「秋田・岩手で記録的大雨」だったそうで・・・な、なんちゅう日に走ってたんだ私は。

今日1日の締めくくりには良いオチだ〜。

ちなみに、明日の宮城県の天気予報は快晴
それでも、今日の事を思うと、いまいち信用なりません。
平穏な明日を祈りつつ、床へ就いたのでした。

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